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することによって、当然、迎角は増加する。そのため、2−35図のA点近く、すなわち、最小沈下速度近くで飛行しているとき、突然スポイラーを開くと、その抵抗の程度によって、2−37図のように迎角が増加することは当然で2−35図のA点よりも左の方向へ移動する。

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これによって危険な失速速度に近づくことになるので、スポイラーをひんぱんに使用するコース上では、必ずC点の近くで使用する。実際には、自動車のブレーキをかけたような前のめりの感じではなく、むしろ2−44図のように想像以上に沈下が増加する。そのため、接地近くでは、特別にその姿勢に注意しなければならない。一般には、2−35図のC点の速度を保持していれば上下のコースの調整は、スポイラーを操作するだけで充分である。スポイラー使用中には、2−38図のように、わずかに方向不安定になるので注意する。
スポイラーには、2−39図のように、後縁にフラップのように装着されたものがある。これは、翼長の広い範囲にわたって小さい乱流を発生しているので、からだに大きく感じるような振動がなく、方向の不安定感は小さい。しかし、先に述べたように、フラップの操作上での注意、C点の速度を保持するには、フラップの下げと同じような注意が必要で、やや機首を下げながら機速を一定に保ちつつスポイラーを使用すべきである。
そのように飛行すれば、2−40図の実線のようなコースとなる。機首をそのままでの飛

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